なんて楽しいひな祭り1/3ﾍﾟｰｼﾞ目
「恋次！今日、無理してお前に休みを取ってもらったのには、深ーい訳がある！」
「ひな祭りだろ。仕事忙しすぎて過ぎたけど。」
「その通りである！！」
「おい、お前は何キャラになったつもりなんだ？」
「いいか？恋次、よく聞けよ！」
「聞いてねぇな…」
「ひな祭りと言うのは！」
「知ってるよ、日本では和暦（太陰太陽暦）の
3月の節句（上巳）である3月3日（現在の4月頃）
に行われていたけど、明治6年（1873年）1月1日の
改暦以後はグレゴリオ暦（新暦）の3月3日に行なうのが一般的。
しかし一部（主に東北など積雪・寒冷地）
では引き続き旧暦3月3日に祝われる（新暦4月3日に祝う所もある）。
旧暦では桃の花が咲く季節になるから桃の節句となったんだよ。
男雛と女雛を中心とする人形を飾り、桃の花を飾って、
白酒などの飲食を楽しむ節句祭り。
関東雛と京雛では男雛と女雛の並ぶ位置は逆。
本来「内裏雛」とは雛人形の男雛と女雛の一対を指すが、
男雛を「お内裏様」、女雛を「お雛様」と呼ぶ誤りは
「うれしいひなまつり」の歌詞から一般化している。
三人官女以下のその他大勢の随臣、
従者人形を「供揃い」という。
ひな祭りの歴史は、
日本の雛祭りはいつ頃から始まったのか判然としていないけど、
その起源はいくつか存在してる。
日本での起源は、流し雛の風習から本来は祓い神事の
人形であったと言われてて、
「雛祭を過ぎて飾っていると嫁に行き遅れる」という言葉もここからきてる。
平安時代に既に平安貴族の子女の雅びな「遊びごと」
として行われていた記録が現存してる。
その当時においても、
やはり小さな御所風の御殿「屋形」をしつらえ飾ったものと考えられてる。
しかし、それはどこまでも「遊びごと」であり、
決して儀式的なものではなく、
そこに雛あそびの名称の由来があるんだよ。
これが江戸時代に女の子の「人形遊び」と
節物の「節句の儀式」と結びつき、全国に広まり、
飾られるようになった。
この「雛あそび」が「雛祭り」へと変わったのは
天正年間以降のことで、この時代から三月の節句の祓に雛祭りを
行うようになったと推測されてる。
もっとも、この時代には飾り物としての古の形式と、
一生の災厄をこの人形に身代りさせるという祭礼的意味合いが強くなり、
武家子女など身分の高い女性の嫁入り道具の重要な家財のひとつに数えられてた。
その為、自然と華美になり、贅沢に流れるようになっていったんだよ。
江戸時代初期は形代の名残を残す立った形の「立雛」や、
坐った形の「坐り雛」（寛永雛）が作られていたけど、
これらは男女一対の内裏雛を飾るだけの物だった。
その後時代が下ると人形は精巧さを増し、十二単の装束を着せた「元禄雛」、
大型の「享保雛」などが作られたけど、
これらは金箔張りの屏風の前に内裏の人形を並べた豪勢なものだった。
この享保年間、人々の消費を規制するため一時的に大型の雛人形が
当時の幕府によって規制されたけど、
この規制を逆手にとって、「芥子雛」と呼ばれる数センチの大きさの精巧を極めた
雛人形が流行することになる。
江戸時代後期には「有職雛」とよばれる宮中の雅びな装束を
正確に再現したものが現れ、
さらに今日の雛人形につながる「古今雛」が現れた。
この後、江戸末期から明治にかけて雛飾りは2人だけの内裏人形から、
嫁入り道具や台所の再現、内裏人形につき従う従者人形たちや小道具、
御殿や檀飾りなど急速にセットが増え、
スケールも大きくなっていったんだよ。
(By,Wikipedia(有難うございました！))
…長くなるから、こんぐらいで良いか？」
「い…いや…；もう十分だけど…
俺が言おうと思ったこと全部言われたし…
てゆーか、なんでそんなに知ってんだよ！？」
「昨日仕事中、隊長に
『恋次、どうせ折角のひな祭り、
仕事に追われてゆっくり過ごす事などできんのだ。
話ぐらい聞いてくれてもよかろう？』
って言われて、延々と聞かされたんだよ…
挙げ句の果ては、隊室に超豪華雛人形までもってくるしよぉ…」
「そっちはそっちで大変だったんだな…」
「んで？お前は今日、何がそんなにしたい訳？
ヤるのは御免だぞ、疲れてんだ。」
「ええ～ソレがメインなのによ～
つーか、久しぶりに会うと、ホント、可愛さ100倍っつーか…」
「ふざけんな！！お前の底なし体力に、いちいち付き合ってられっかよ！」
「年じゃねぇの？元気にしてやるからよー」
「覆い被さるな！！後、年とか言うんじゃねぇ！お前が以上なんだ！！」
「チェッ！分かったよ、夜まで待つよ！この、生殺し恋次ぃ！」
「ヤル気は満々なのかよ…」
「じゃあさ！取りあえずさぁ、雛人形飾ろうぜ！！」
「はぁ？お前、自分家で飾ったんじゃねぇのか？」
「妹達が自分達だけでさっさっとやっちまったよ。
そしたらさ、遊子が『お兄ちゃん、恋次さんと飾りなよ！』って、
小さい雛人形セットくれたんだよ。ほら、コレ。」
「うおお、本当に小せぇ～！可愛いな、コレ」
「逆に難しそうじゃねぇか？」
「いや、でも、ひな段に並べるだけなんじゃ…あれ？」
「どうした？恋次」
「一護、コレ…お内裏様の烏帽子が取れてる…。」
「…まさか…コレ…」
『組み立て式！！？？』
「おいおいふざけんなよ…
上司の戯言に受け答えしながら仕事一生懸命やって、やっと来てこれかよ…
咆えろ、蛇尾丸ー！！！！」
「ストーッッッッップ！！！！お前は俺の家を破壊する気か！！？」
「うるっせえな、黙ってろ！！今はもう、何もかも壊したい気分なんだよ…」
「危ないよ、この人(人じゃないけど)！！気疲れMAXだ！！
お願い恋次、待って下さい！！美人だから余計に迫力あって恐いんです！！」
「………………冗談だっつーの。」
「冗談のつもり無かったよね、目が本気だったよね、今ものすごく考えたよね！！？」
「…とにかく、なんとか組み立てるから、貸せよ。」
「ピンセットとかは？」
「？何だ、ソレ？？」
「ほら、コレだよ。こうやって、細かいもの掴むときに便利な…」
「おっ、いいな、寄こせ！」
「ほい。」
「………お、付いた…烏帽子……」
「お雛様の冠は？」
「お前が付けろよ………おい、なんかズレてる気がすんだけどよぉ、この烏帽子。」
「おもっクソ、ズレてるっつーの！」
「………？」
「…恋次、近くで見すぎて寄り目気味になってる。」
「あ。」
「あ。じゃねぇだろ！ったく、目ぇ悪いんじゃねぇの？」
「いや、放れて見る分には問題ないんだ。」
「視力いくつだよ」
「6.0ぐらい…」
「本当に人間かオマエは！！？」
「死神だ。」
「死神は全員そんなモンゴル人みたいな視力してんのか！！？」
「そうだったら、眼鏡かけてる奴なんている訳ねぇだろ。」
「………あ、そうか。」
「一護さ～ん？ったく、頭ぁ悪いんじゃねぇの？」
「う゛…；反論できない…てか、お前本当に目ぇ良いんだな…遠視か？」
「バーカ。あ、お内裏様できたぞ！」
「早っ！ちょっと見せろよ！！…うわ、上手っ！細かっ！恋次すげぇ！！」
「お前の進み具合はどうなんだよ。…なんだ、全然じゃねぇか。」
「冠つけんのが、思いのほか、難しくてよぉ…」
「まあ、頑張れよ。俺は三人官女やってるからな。」
「うう…置いてかれた気分…！！」
「お、すげぇなコレ、細けぇ！
三人官女の中の一つ、繭なしでキチンとお歯黒塗ってある！」
「何なんだ、それ？」
「んだよ、餓鬼は黙って作業してろ。」
「無理。恋次が真剣に何かやってる表情にムラムラしてきたし
すぐ横にお前が居る時点で、俺の理性はかなり危ないんだよ。
だから、なんか話してくれないと、恋次を酷い目に合わせるかもしれない。」
「わかったよ！説明すりゃあ良いんだろ！？」
「いや、説明しないでくれといた方が俺的にはそれはそれで良いんだけど…」
「俺が良くねぇんだよ！三人官女ってゆうのはな、宮中に仕える女官のことで…」
(なんだかんだ言って丁寧に説明してくれんだよな、恋次って…Vv)
本当は、さくっと食事でもして。
二人っきりでデートでもしながらひな祭り過ごすつもりだったんだけど。
恋次の顔をみたら、一瞬でも離れるのが嫌で。
恋次が俺の部屋に居て、俺しか見ない環境をずっと保っていたくって。
手も触れないつもりだったミニ雛人形セットを開けて。
恋次をずっとココに留めておきたかったんだ。
ごめん、恋次。愛してる。←(余計)
「ほら、三人官女の一人目できたぞ。」
「おお！恋次、早ぇなぁ！！」
「お前はまだお雛様やってんのか？」
「いや、今くっついたんだけど…曲がってねぇか？」
「大丈夫だけど…なんか、偉くヨレヨレだな…」
「うっ…し、仕方ねぇだろ！俺、恋次みたいに器用じゃねーんだよ！」
「それにしたって、変だろ、これ！」
「…笑うなよなっ！！」
(笑顔可愛いな………)
お前が頑張って来てくれた気持ちを無下にする気は無いんだ。
でも、この状態をやめる気も無いんだ。
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