絶対不利に勝ち目無し。(修恋)1/3ﾍﾟｰｼﾞ目
阿散井。
………好きだーーーーーーー！！！！
「先輩、うるっさいんですけど。
心の声ですら言って欲しく無い事を
口で叫ぶの止めてもらえますか。」
「その声は阿散井っ！」
「その声もどの声も俺っすよ。
つーか、近くに居るんだから
見て分かれ、馬鹿先輩。」
相変わらずの冷静かつ沈着な反応。
俺の愛しい愛しい阿散井恋次。
すっげぇ前から好きで
この間、熱烈告白宣言したら
『何阿呆言ってんスか。』
で、あしらわれた。
かなりショックだったが、
恋次はガンとして断ったワケでは無いのだからと、
毎日毎日口説き(もとい、セクハラ)をしている。
「先輩？先輩どうしました、頭沸きましたか。」
「沸いてねぇよ…優しいな阿散井…Ｖｖ」
「イヤミっつーもんが通じねぇのかコノヤローは。」
「恋次、好きなんだけど。」
「何馬鹿言ってんスか。」
「馬鹿言った覚えはねぇや。」
「それをヒトは馬鹿という。
つーか、手握るな。」
「綺麗だからさ、な、もう片方の手も握らして？」
「ヤですよ。そしたら、
身動き取れなくなるじゃないスか。」
「束縛愛？」
「殺すぞ先輩。」
手を握ったまま、阿散井の顔に自分の顔を近づければ、
不愉快に感じた阿散井に頬をピシャリと叩かれた。
ビンタって…
せめて、男なら鉄拳とかさあ…
ああ、そっか。
この距離だと鉄拳かまし辛いのか。
阿散井が、
俺に捕まれていない方の手に、
書類の束を抱えていた。
「持ってやろうか。」
「大丈夫です。」
「そう言うなよ。」
「大丈夫だっつてんだろ！」
「持つから。」
「………はぁ…じゃあ、お願いします。」
うっしゃ、勝った。
ちゅ、ちゅ、と、
掴んでいた手に唇を落とせば、
今度は腹に蹴りを食らった。
「いてぇ。」
「ニヤけんなよ、先輩。」
書類持ってやって
一緒に並んで歩いたら、
俺の目線より
上にある阿散井の顔。
そういや、コイツ俺よりもかなりデカいんだっけ。
あーーーーーーーで可愛い可愛い可愛いぃぃいぃぃぃぃぃいぃ！！！！
押し倒した時の妄想をしてみるとする。
いつもと違い、俺の下にある阿散井の顔。
その時点で、鼻の奥の血管切れそう。
つきあいてぇぇぇぇええぇぇぇえ！！！！
「だから五月蝿いんスけど。」
「え、どっから口に出てた？」
「つきあいてぇのトコからです。」
「本当か？よかった…」
「…何が？」
危ネぇ危ネぇ…
阿散井に今考えた事を知られるのは
良いとはとても言えない。
再び、後ろから阿散井を見てみる。
背高いのは、むしろ好きだ。
こいつの細身が、はっきりと分かるし。
少し、後ろを歩いていく。
俺の阿散井の後ろ姿。
全体見えて幸せ幸せ。
｢…と、すんません、どうぞ。｣
｢ん？は？｣
急に足を止めたかと思えば
こちらを振り返る恋次。
空いている手が『どうぞ。』
と言わんばかりに指している方角は自分の前。
…なんで、いきなり…
「前、見えねぇでしょ？
気付かなくてすんません。
どうぞ、檜佐木先輩。」
あー…
１００点。(何が？)
「…阿散井、今夜、暇？」
「一応…」
「んじゃ、俺の部屋来い！じゃあな！」
「あ、ちょっ……行っちゃったし…！！」
今のは直視できねぇって。
心臓バクバク言ってるし。
とっとと仕事でもして気を紛らわそう。
あーーーー俺の優柔不断野郎！
もうちょい…こう…安定した…感じだったら…
…無理だぜえってえ無理！！！！
やっぱ、今のままの俺でぶつかって行くべきだ、
大体、恋次とは長い付き合いなのに、
今更飾ってどうするってんだ！
とりあえず、仕事、頑張るか…
＜＜重要なお知らせ＞＞
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