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伝え伝われこの想い。
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恋次が風呂から

やっと上がってきたかと思ったら、

ビビった。








「…恋次の目って、
 紅いの白目の部分もだっけか?」

「んなワケあるか気持ち悪ぃわ!
 風呂で目に石鹸入ったんだよ!」

「あ…あー、本当だ、充血してる…」

「焦った〜。
 両目に入りやがるから、
 湯かけるにも手探りだしよぉ。」

「…あのなあ、そういう時は俺を呼べ!」

「何でだよ。」

「だからっ!
 すぐに風呂に駆けつけるからっ!」

「誰が呼ぶか、こンの変態!」





ばちんっ!






と、平手打ちを喰らった。


『呼んでくれたら、
 いつだって駆けつけてやるよ。』




みたいな台詞を言うつもりが、

何か…

色々(日ごろの行いとかタイミングとか)

が悪くて、上手く伝わらなかった。

言語力、文章力乏しいな、俺。

恋次の短気のせいもあるけど、

それ以上に!


もっと上手く伝えたいんだよ…






またある日。







「一護。」

「おう、なんだ?」

「買い物いって来るけど、
 欲しい物あるか?」

「な、一人でか!!?」

「ばーか、浦原さんとだよ。
 買出し付き合わなきゃ
 なんねぇんだ。」

「なっ…浦原さんと…二人でか!?」

「?何だよ、なんか問題でもあんのか?」







あるよ、大有りだろ!!



あの、恋次を狙ってる変態店主
と二人っきりで買い物デートだぁ!?




駄目だぁ!絶対に!



「駄目!絶対、駄目!!」

「なんでだよ…心配しなくても
 買い物くらいできるっつの。」

「だーめーだっ!!
 お前が(浦原さんが恋次に)
 変な事しねぇか心配なんだよ!」

「…あのな…」

「何だよ!」

「テメェは俺を変態か何かと
 勘違いしてんのかぁぁぁ!!!!」

「れ、恋次、ちがっ…
 ぶふぉっ!(上段回し蹴り)」





…何か…うん…国語得意でも

咄嗟の時に文章作るってのは

難しいモンだ……うん…
(要するにアドリブが利かない。)










ああ、どうか俺の言葉。


一つ一つ羽でも生えて


恋次の魂に直接届いてくれ。




そしたらさ



恋次がスッとこっちを向いて



『一護』



と、一言、その大好きな声で

返事してくれっかもしんねぇだろ。





なあ、恋次。






俺はあんまり得意じゃねぇけど


テメェの事が誰よりも好きなんだよ。












しばらくして



恋次が浦原さんとの買い物から

帰ってきた。





「ただいまぁーホレ、土産。」

「ん、サンキュ。」

「一護、チョコ好きだったよな?」

「うん、好き。恋次が。」







ぺしっ




頭を葱で軽く叩かれた。
(何で葱持ってんですか。)







「言わんで良い、そういう事はっ!」

「だってさ、本当だからさ。」

「なんだそりゃ…キショッ」

「ひどっ」

「…ホラ、食いてぇだろ?
 包装紙剥いて早く食えよ。」

「うん。恋次食いたいから
 死覇装剥いて早く食うわ。」






ばきっ!!







今度はアッパーカットを喰らった。







「お〜ま〜え〜は〜っ!
 凝りねぇのな、本当に!!」

「俺は言いてぇ事言っただけ。」

「だからソレが余計なんだよ!」

「なんだよ〜
 …てかさ、浦原さんに変な事
 されなかったか!?」

「されねーよ…
 あ、そういやぁ浦原さんに
 飾りのついた
 ヘアゴム≠チつーの買って貰った。」

「なっ…見せろ!」

「?ほら。コレだよ。」








可愛らしい花とか蝶のキラキラした飾り。

それも、小さい女の子が

付けるようなのじゃなくて、

高校生とか大学生とかの

派手好きな女
(別に派手好きと
 決まっているワケではないが)

とかが付けるような、

ちょっとお姉さん向けのやつ。



恋次が、コレに合うような髪型をして、

コレを付けた時の姿を想像したら鼻血が…


って違う違う違う!!!!

そっちじゃねぇだろ、俺!!







「…捨てる。」

「な、なんでだよ!
 こんな綺麗なのに勿体ねぇだろ!」

「恋次。お前のファッションセンスは
 並人と90度ちょいぐらい
 ズレてるから。
 てか、浦原さんから貰ったものなんて
 怪しくて身につけさせられるかぁ!!
 いや、可愛いとは思うぜ!?
 想像するだけで鼻血もんだ!!」

「散々ワケ分かんねぇ事言った挙句
 鼻血言うなぁぁ!!!!
 何なんだテメェはっ!!
 言いてぇ事あんなら
 ハッキリ言えハッキリ!!」





ああ、畜生畜生!!




またやっちまったよ、下手すぎだろ、俺。







そりゃ、恋次は何でもかんでも

はっきり言うから、

俺の気持ちなんて判んねぇだろうけどよ。







…でもさ…男だから…

カッコ付けてぇだろ?








「…おい、一護?」

「………」

「悪ぃ、言い過ぎた…
 だから、んなヘコむなよ、な?」







…って、恋次に心配させてどうすんだ俺!














なんだか、難しく考え過ぎなのかも

しれねぇ。






俺の言いたい事、はっきり言って





真っ直ぐ伝えて見ようじゃねぇか!










「?おい、一…」

「恋次。」







恋次の目を真っ直ぐ見て名を呼んで


ぎゅっと抱きしめて耳元で一言




「大好きだ。」









身体を離して顔を見たら

真っ赤な恋次の顔。









「なっ……!////」







(最初からこうすりゃ良かった…)





もっと最初からこうするべきだった。




恋次の性格からして

回りくどい言い方すんのが

一番いけねぇだろ、気づけよ俺!







ただ…ちょっと…不安だったんだよ…







「…恋次?」

「い、一護…あ、あのさ…////」










どうか伝われ俺の想い。















「俺も大好きだ。////」




 ほら、伝わった。 





Fin.

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