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虚ろな涙。
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恋次







どうしてそんなに











静かに泣くんだ?























「…恋次?」

「一護…」












なぁ、頼むから泣かないでくれ







泣いてるお前は

いつもと大違いで







少し触れただけでも





音を立てて崩れてしまいそうだ。















「一護…」

「一護、俺は…」











「俺はお前が大好きだ。」

















そんなの

いつも俺が言ってるじゃねぇか。











なぁ、恋次。


お前は何処を見てるんだ。













その燃えるような紅い瞳は




そんなに儚げな灯火のような

光を宿していたか?

















「恋次、俺だって大好きだ。」

「一護…」

















なぁ、恋次。






今、俺が何を言っても



お前は泣き止まないんだろ?














「お前は優し過ぎるんだよ…」







「お前は」









「お前は
 どうして俺なんかを
 好きになったんだよ…」













俺は知っていた。



恋次が余りに脆いことを。











そんなふうに

考えるお前が





世界で一番優しいよ。
















「俺は恋次が好きだよ。」

「…どうしてだ…」

「恋次を見るだけで愛しくてたまんねぇ。」

「……だから…
 どうしてだって聞いてんだよ…!」


















キレた奴が発しそうな言葉には

優しさと弱さが隠れていた。








恋次はキレても何でも居なくて



ただただ悲しいだけなんだろ?













お前は何で



そんな想い、誰にも言わずに





本当に稀に零すんだ。


















「…一護…俺は…」

「恋次…恋次、もう良いから…」


















頼むから泣かないでくれ。









お前が泣いて喜ぶ奴なんて





きっとこの世に一人も居ねぇ。
















「愛してる…」




















そんな綺麗な涙










零れて地に滲みたりしたら




きっと世界が泣いちまうよ。























Fin.
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