世界で一番大切な日。(一護誕)1/2ﾍﾟｰｼﾞ目
「一護！
今日はてめぇが誕生日だとか何とか
聞いたんで来てやったぜ喜びやがれ。」
「うおぉぉやったあああ恋次ぃぃぃぃ！！！！Ｖｖ」
「ぎゃあ！いきなり抱きつくな！！」
今日はめでてぇ記念日だ。
なんたって一護が生まれたんだからな。
いつもなら跳ね除ける一護の密着も
今日は受け入れてやろうじゃねぇか！
「で？おめー、何歳になったんだ？」
「えーっと…１８だな。」
「１８？じゃ、酒とか煙草は解禁か？」
「いや…それ２０歳からだから…」
「えーっと、じゃあ何だ？１８…１８…」
「エロい事や物の売買関係が解禁されましたー！」
「……恋次帰るね。」
「待て待て待て待て！！」
「何かと思ったらくっだらねぇ！
俺がてめぇより下な時は
もう解禁されてたぜ、んなモン！」
「いや、ちょっと、
聞き捨てならないんですけど
その発言！！？」
「聞き捨ててくれ。」
「…捨てるしかねぇだろ…
聞いてたらキリねーや…今度聞く。」
「…まあ、とにかくめでてぇ日だしな。一日一緒にいてやるよ。」
「やったああ！！恋次愛してる！！Ｖｖ」
普段は稀にしか言ってやらねぇ台詞も
今日はサラリと言ってやろう。
「はいはい、俺も愛してるぜ。」
「マジで！？誕生日さいっこー！！」
ぎゅうっ
と固く抱きしめあって
右手を一護の背中にまわして、
左手で頭を撫でてやる。
前はもっと楽だったこの仕草が
この糞餓鬼が育ちすぎたせいでかなりキツイ。
「…恋次、なんかいい匂いする…」
「そーかあ？」
「そー。何か甘くて女みてぇな匂いするんだよ。」
「女って…いっつも甘味持ち歩いてるからだろ。」
「そっか、成る程！」
「…てかさ、
誕生日プレゼントっつーの？、いるか？」
「いるいる！！」
「ん。じゃ、ハイこれ、どうぞ。」
和紙に包んだ箱を渡した。
正直、何やればいいのか判らなかったんだ。
だから、絶対はずさねぇ食い物。
「おおお明太子…！」
「好きだったろ。」
「うん、うん！好き好き！恋次有難な！！」
「んっ、」
急に接吻しやがるから
厄介だ。
こいつ
どうしてこんなに息が持つんだと、
いつも思う。
「んぅ、っ、んん…！、ぷはっ！////」
「…恋次…すげぇ好き…」
「んん！！？」
って、
え、え、もう一回！！？
「っ、ふぅん、ふ、んっ…、
ぶは！いち、ご…」
「…今日一日…ずっと一緒なんだよな？」
…ああ…
こいつは、大人に成長どころか
甘えてやがるんだ。
「一緒に…いてやるよ。////」
「はは…嬉しくて死にそう…」
すとん
と、俺の膝に転がり込んできやがった。
俗にいう…なんだ？膝枕？？
「あー…癒される…」
「…女の柔らけぇ膝のほうがいいだろうが…」
「恋次の膝だから癒されんの！」
「……ったく、糞餓鬼…」
下を向いたら
茶色の目が愛しそうに
こっちを見つめている。
口なんかニンマリ笑ってやがる。
そんな一護が愛しくて
じっと見つめ返してやる。
「…一護…」
「何だよ？」
「お誕生日おめでとさん。」
「ん、サンキュ恋次。」
「どーいたしまして？」
「…あー、そうだ、１８歳って結婚できる年だ。」
「あー、ソレだソレソレ！
俺がさっき言おうとしたの！」
「恋次、結婚してくれよ。」
「んー、もうちょい後、な。」
「んだよ、ケチ。」
「助平よりマシ。」
「なっ…
俺はそういうんじゃ無くて
純粋な気持ちで恋次と結婚したいと…！」
「わーってるって。冗談だ冗談。」
「～恋次っ！」
「餓鬼め。」
「んだと、コラ。」
悪態つきながら
笑いあってる俺達。
俺はすげぇ幸せだ。
「…一護。」
「だから、何だよ。」
幸せくれた未来の旦那さんに
一言やるよ、
有り難く思いやがれ。
「生まれてきてくれて有難う。」
一護の顔が赤くなる。
俺も顔が熱くなる。
我ながらくせぇ台詞だ引かれただろうか。
「…恋次、やっぱ明太子いらねぇ。」
「あ゛ぁ！？なんだと、受け取りやがれ！」
「そうじゃなくてさ、他のくれよ。」
「……？」
「恋次くれ。」
…こいつも大層お決まりなヤツ。
でも、応えてやんなきゃ祝いにならねー。
「…とっくにテメェのモンだよ。」
めでてぇめでてぇこの日には
最愛の人に
祝福の言葉を。
(愛しているよ。)
Ｆｉｎ．
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