1/2ページ目 俺は、黒崎一護。 今日はクラスの女供がやたらと騒いでる… 何の日かと思ったら、バレンタインデーだったのか!! …なんていうこと↑を思っていたのは、一年前の話だ。 今年の俺は意識しまくり!! だって、恋人が居るから!! でも、そいつバレンタインデーなんて多分知らねー! んで、ただでさえ忙しいんだから、多分、来ねー! 俺って、悲しいー…!! 昼間に貰ったチョコは、織姫とルキアと、 周りに配りまくってる女子からの義理と、 可愛い知らない女子から本命(多分)で、 貰ったのが全部。計:6個。(義理3個) 可愛い子は、俺に顔真っ赤にしながら渡した。 そりゃあ、嬉しかったけどよ。 袋、教室でそーっと開けてみたら、可愛いメモ用紙に、 『阿散井さんに渡してください…Vv』 ………Σ(@д@;) ちょっ…それは無いだろう…!!!! 恋次の顔なんていつ見たよ!!? あいつ、授業中寝てんじゃん!! それ以外の時は、俺とかルキアとかと一緒だから、 顔見るやつなんて、そんな居ねーだろ!! …なんて思ってた俺は大馬鹿野郎だった。 あんな美人、一度見たら、皆が忘れるハズ無かったんだ。 後、結構、困ってるやつ見かけたら、なんとなく助けてたりしてたらしい。 恋次!俺の恋次ー!!!!うかつに人を助けるなー!!!! 帰りの時に、下駄箱空けたら、チョコがドッサドッサと… なんで、帰りなんだ。と思って、ちょっと考えてみたら、 俺は、朝は眠くて、ただでさえ眉間によってるシワが更に増えている。 だから、いきおいで捨てられないように…って事だろうと、推理できた。 だからってさあ…多くね?? なんでこんなに入ったんだ。 俺の靴箱でけーな!とか、そういうレベルじゃねーだろ! 紙袋に入れて、自分の物のように振舞ってみる。 男子がちょっと悔しそうな目で、こちらを見ている。 ばーか。どうせ全部、恋次あてに決まってんだろ。 あと、ルキアと織姫の恋次あてチョコが、 なんか俺より豪華なんだけど。 お前ら、俺のこと嫌い? 畜生、女子共め! これが渡せたら、恋次が家に居るってことだろーが。 どうせ、居ない…ってゆーことを、二重に思わせるんじゃねー!! なんか、逆チョコとか入ってねーか!? 帰り道に、他校の女子から、何個か貰った。 でも、なんだか虚しいだけだった。 俺に渡したやつ、ザマーミロ。 恋次じゃなくて、俺が食ってやる。 しかも、『まずっ!』とか言いながら食ってやる! …やめよう、悲し過ぎるだろ、俺… でもな、分かってんだよ。 この紙袋の中身が全部俺宛てだったとしても。 すごい美人が本命くれたとしても。 俺は、恋次だけにしか、貰いたく無いんだよ。 ああ、真っ赤な死神様… どうか俺に甘いモノを下さい… 死神様とセットで。(こっちが本命) 滅多に会えねーんだからよ。 記念日ぐらい、来てくれよ… 会いてーよお…恋次ぃ… そんなことを思っていたら、家についてしまった。 「ただいま…」 「一兄、結構貰ったね。恋次さん宛てでしょ。」 「そうだよ、チクショー!!!!」 俺は、妹に怒鳴って、階段を駆け上がった。 最低だ…後で謝んなきゃ… 「はあー…」 重い気持ちで部屋のドアを開けた。 今日は、ふて寝でもしよう…なんて事をボンヤリ考えた。 「よお、おかえりー」 ………ん? 「おっ、それ、『ちょこ』ってやつだろ?くれよ!」 あれ?何これ?嘘?本当? 「何、ボーッとしてんだよ。」 「…んじ……?」 「あ?」 「恋次ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 「うわあっ!抱きつくな、馬鹿一護!!」 「うわあ〜恋次だあ〜!!本当に本当に、恋次だあ〜Vv」 「なんなんだよ、気持ち悪ぃな;」 「恋次、なんで来てんの!?」 「休暇貰ったから…つうのは冗談で、本当は、2時間休憩!」 「2時間!?無理して取ったのか!?」 「だって、今日、『ばれんたいんでえ』なんだろ?」 「えっ、それ…誰に聞いたんだ!?」 「ルキア。織姫に教えてもらったとか言って。」 「…それで来たのか?」 「ああ、まあ、祝い日だっつーから、来てやったっつーのと…」 「と?」 「どっかのクソガキが喜ぶと思ったから。」 ニヤリ、と、挑発的な(俺には可愛くしか見えないのだが) 笑顔を俺に向けて、言葉を言った後、 恋次は、俺を引き寄せてキスをしてきた。 キスする時に閉じる恋次の目が開くのが早かったから、 きっと短くするつもりだったんだと思う。 でも、そうはさせねえ。 「んんン!!?」 恋次の身体をしっかりと抱き固めて、 唇を離させまい、とした。 そして、恋次の目が息苦しさに潤んできたのを確認してから、唇を開放してやった。 「げほっ、何すんだ!!」 「何って、キス。」 「長ぇよ、馬鹿!!」 「だって、可愛かったから。」 「そういう事を言うなっつてんだろ!!」 「悪かったって…;ところで、この紙袋の中のチョコ、全部お前宛みたいなんだけどさあ」 紙袋を恋次の前に突き出したら、甘い匂いがしたのか、恋次が鼻をすり寄せてきた。 「…犬かよ。」 「…なんか言ったか?」 「いや!!何っっっにも!!」 殺気を出すなよ!マジ怖ぇんだって!! 「食う?」 「もちろん!!よこせっ」 「ほい。」 恋次が無作法にチョコの包装紙を開き、すごい勢いで食べていく。 「ふぁっ!ふぉういえばわふへへは!(あっ!そういえば忘れてた!)」 「食いながらしゃべんなよ…;なんだよ?」 「んんんっ、『ゴクッ』っ、これ。織姫に教えられたルキアに作り方教わったから。」 「…これって……」 恋次に渡されたのは 綺麗な桃色の和紙に包まれた、ハート型のチョコレート。 「今日は、恋人に『ちょこれいと』を渡す日なんだろ?」 「カタカナ、苦手だな…;いや…でも、サンキュ…!」 やべえ、やべえ、すげえ嬉しい。 ハート型のチョコレート貰って?それは俺宛で?くれたのは恋人で? これ以上の幸福は多分無いだろ…てか、絶対無い!! 「恋次、超嬉しい!!有難うな!!愛してる!!vV」 「そりゃどうも;分かったから、抱きつくなよ。食えねえ;」 甘い甘いプレゼント。なんて素敵なバレンタインデー。 チョコレート、万歳! 俺に、甘い記念日を有難う! 今日は、本当にいい日だぜ!いいのか、こんな幸せで!! 「しっかし、本当に俺宛てばっかだな…ん?」 「どした?」 「…一護…これ…」 「!!」 『黒崎一護くんへ 君がずっと好きでした。この想い、どうか伝わって…』 と、ピンクのファンシーな紙に、水色の可愛い文字で、 ポエムみたいな愛のメッセージが書かれていた。 「一護くんは、たいそうおモテになるんですねえ?」 「…;;;;」 「これは実に可愛いですね。豪華だし、手が込んでそうな、ちょこれいとですし。 よかったですね、一護君!俺のはもう、いりませんねえ!!」 「!!?ちがっ…恋次…!!!!(滝汗)」 これ以上無いくらいの極上のスマイルをしながら、 甘ったるい声で敬語で話す恋次は、マジギレっぽい。 普通、女の子から本命チョコがきたら、もっと舞い上がるもんじゃねーか? いいや、んなこと無え!!!!俺の恋人、怖いから!! 頼むから、怒んないで! 恋次からのせっかくのチョコレートを、今にも割りそうな勢いで握り締めないで!! 本当に本当に、お前だけなんだよ、恋次!分かってくれ!!; やばい、2時間がつぶれる!!本当に、ごめんなさい!! なんで俺が悪いのか、これっぽっちも分からないけど!! 「…2時間っつーのも半端だし、俺、仕事戻るわ。」 「すみませんでしたあああああああああああ!!!! なんで、俺が謝らなきゃいけないのか分からないけども!!」 今日は最高で最悪のバレンタインデー。 会えたのは、これ以上無いくらい嬉しい。 でも、会えたのに、嫌な雰囲気になるのは、生殺しも同然!! 「恋次いいいいい!!!!」 ああもう、俺、ある意味、世界で一番の幸せ者だ… ハッピー・バレンタインデー!!チクショー!!!! Fin. <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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