初代橘ノ圓（たちばなのまどか 本名：五十嵐銀次郎 1868年生）［落語家］
11歳の時、初代三遊亭圓朝門下となり、朝治と名乗る。のち2代目橘家圓三郎を襲名。1891年、師圓朝の寄席引退に同調した兄圓馬の上方巡業に同行し、そのまま兄弟共に大阪に定住、師の年忌のほかは江戸に戻ることはなかった。1906年、師圓朝の7回忌の時に「圓頂派」を結成し、橘ノ圓を名乗る。一門は全て坊主頭といった出立ちで、主に神戸を中心に高座に上がり、全国を巡業。1910年に帰京し、3代目柳家小さん門下となり柳家圓を名乗るが、間もなく大阪へ戻り、橘ノ圓に復す。大阪では三友派に属していたが、後に5代目橘家圓太郎らと共に浪花落語反対派に移る。
『子は鎹』『三味線栗毛』などが十八番であった。また大切りに派手な支度で総踊りや、所作事を演じ一風変わった内容で評判を得た。50歳を越して圓朝一門で音曲師の立花家橘之助と結婚し話題をまいた。兄に似て人格者で、いつも身仕舞い正しく、賭博と酒は一切嗜まなかったという。
晩年は名古屋に隠棲。1935年6月10日、京都市上京区に住まいを移すが、そのわずか19日後、北野天満宮そばの紙屋川の氾濫（京都大水害）で自宅が流され、妻と共に水死した。法名は清浄院橘圓日香居士。
1935年6月29日死去(享年67)
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